久しぶりです。
さて、今日はヘッドフォンリスニング&お仕事環境の一部について。
表題のアンプの件です。
(発売当時に買った、最初期型)(後期型があるそうでコンデンサ類が違う)
音楽や整音などのお仕事にもつかえる機器です。
この6万円位の装置に対して、ネット上で色んな感想記事を目にするのですが、
恐らく誤解していると思われる内容を多々みつけてしまい、よせばいいのにあえて日記に。
本来、こんなことを書く必要がない機器なのですが….。
以下、ネット上で流布している?言説。
■ 誤解その1「ノイズを作って意図的に混ぜている(ノイズがこのアンプのキモ)」
そのノイズは恐らくRNHPにAC経由でDCアダプタから入ってくる電源ノイズです。
(※他にもノイズの原因が存在するので決めつけはできません)
僕の環境ではボリュームマックスで
SONY 密閉型スタジオモニターヘッドホン MDR-CD900STで聴いてもノイズ感はありません。

SONY 密閉型スタジオモニターヘッドホン MDR-CD900STで聴いてもノイズ感はありません。
ノイズを混ぜて音を作り出すという事をやっているとは思えません。
恐らく「スー」とか「サー」というノイズだと思うのですが、
それ聞こえません。(すごく耳を澄ませばもしかしたら聞こえるかも??)
(※完全無音響室だと、それは「自分の血管の血が流れる音」なんですが…)
僕の場合、コレ専用の電源を設計していただき、それを使っています。よって、DCアダプタ由来ではないか?or 上流機器由来では?とか推測する感じです。これにつなぐ機器にノイズ成分があれば、そのままコレに入ってきます。ですので、上流の機器の質が如実にわかります。(いい意味でも残念な意味でも)
あと、まちがっても「ifi DC iPurifier」と一緒に使ってはいけません。
これは重要なことなのででかい文字にしておきました。
純正付属ACが断続的にオンオフを繰り返すという誤動作をした為やめました。
他方の報告にも同じ現象があるようです。
もしかしたら環境によってはそんな現象が出ないのかもしれませんが、
そもそもiFiの製品を何個か購入した結果(=いわゆる沼ドツボにはまるという失態)、
このメーカーの製品を使うと「何から何までiFiの音になってしまう」。。。という事で僕的にNG(出禁)に。
■ 誤解その2「M/S処理をして音の広がりをつくっている」
計測すればすぐわかります。していません。
このアンプを聞くと音が広いなと感じる人が多いと思います。
それはサラウンド処理のようなものではありません。
「ヘッドルームの広さ」で、これはそれなりの業務用卓(ミキサー)を
初めて聞いた人が感動し誤解することです。疑似的なものではないです。
音の深度(=レンジへの懐の深さ)と表現する人もいます。
「ヘッドルームマージン」がない機材(あるのか?)だと
音量アップしていったり、EDMみたいなジャンルの音楽だと
音の横方向がかなり狭くなり、歪むようになります。
(※意図的にその効果を予め施した音楽を除く)
さて、M/S処理とは関係ないのですが、その解説ページで逆相の話が出ます。
同じ波形を反転させて合成すると無音になるのは当たり前です。正相+逆相=無音。
位相現象で、これを応用したのがノイズキャンセリングヘッドフォンやイヤフォンです。
イヤフォン、ヘッドフォンを仕組みから理解していない方が多い(気がする;)ので、
以下のページをお勧めします。スペックの事も書かれ、メーカーに限らない適切な説明と思います。
■ 誤解その3「オペアンプが古いと音も古くなる!」
難しい表現ですが、業務用卓は元々リスニング向けではありません。
求められるのは工業製品としてのバランスの正確さ、
ミキシング時の正確さ、歪、伝統的な音です。
音を味付して楽しむオペアンプの使い方はしません。
よって枯れたオペアンプやパーツが使われていてもおかしくないです。
「トラディショナル=伝統的な音=鉄板な音」みたいなものです。
名機と言われるミキサーや音楽機器をばらせばわかります。
4558、5532、、等のオンパレードです。
でも音はソレじゃないとというモノ。
このRNHPがTPA6120A2やNE5532を使っているのは、
間違いを作れない業務用卓だからとも言えます。(枯れたとの表現はその通り)オペアンプマニアの方にはゴミ石(IC)扱いされているかもしれませんが、鉄板高精度ローノイズアンプです。
新しければなんでも言い訳ではなく、脈々とこの音でミックスしてきたという流れでのチョイスかと。
これに使われているALPSのボリューム(アナログポテンショメータ)がウォームな音の主たるものだと思っています。(籠って聞こえる音)同じALPSボリュームを別な自作アンプに使いましたが、
見事に削られた柔らかい音になってしまいました。
その代わりに左右バランスに影響する抵抗値はスペック通り2連共正確でした。
デジタルボリューム、アナログボリューム どっち?と言われたら、僕は断然アナログな人なので、左右バランスの量産品コストでの正確性となると、ALPSは鉄板かと思います。
(※もっと値段が鬼のような日本製ボリュームは存在します。確かに音は素晴らしい!でも量産品ではない)
RNHPよりSN含めてスペック上も聴感上も上のものは、今日存在しています。ただド定番のあの音だよ、コレコレというのが、音楽制作等の歴史でRNHPの設計になっているという状態と想像します。
■ 誤解その4「電源オン、オフ時のポップノイズ等もある安物機材」
これは僕も一番嫌な現象です。ただ身体が電源オフるときやオンする時はボリュームは最小に絞り、まず機器の電源を入れてからヘッドフォンを挿すという一連を覚えてしまっているので、このスイッチの仕様は…っぽいなとも思います。
出力インピーダンスをほぼ0Ωとなる設計とうたっており、想定できますが恐らく小型スピーカーも駆動できるかと思われます。(※馬力はなさそうですが)
「電源オフ後のノイズ」という意見も見たのですが、
これまたACDCアダプタ由来のものかと思います。ザーとかサーとかそういうノイズであればなおの事。
僕の専用電源ではそのような目立つ現象は起こりません。
…以上文章で書いても説得力に乏しいので、たまたま中国のレビューサイトが分解してテストしていますので、それをリンクとして貼っておきます。中国語ですが、Googleなどで翻訳して読んでみて下さい。
周波数応答曲線(頻響曲線)を見ればその1は誤解だと判るはずです。ノイズ分布(噪聲分布)も特に不自然ではありません。
中国のテストは付属ACDCアダプタを使用したはずなので、
分離周波数分析(分離度頻率分析)を見ても、
このRNHPの最大のネック?(or特徴)はALPSのボリューム(ポテンションメーター)特性によるものかと思います。中低域が低下する印象もNE5532よりもALPSだと思います。
レビューでは5532のせいだと決めていますが、5532の味は古から受け継がれたものなので、これをChord MojoやPawGoldといったリスニング向けHPADACと比較するのがそもそも誤りと思います。
あえてTPA6120A2やNE5532をチョイスした。
それは伝統の音だからだ。という事かと。
日本のサンレコの記事:
という訳で、僕のRNHPの印象は、上流の音次第で変わるが、
ヘッドフォンはどのメーカーであってもほとんど同じような音印象になる。つまり設計意図通りかと思っています。
意図を理解して使うとこの装置は安いものです。
もしも、これでヘッドフォンの音が割れたり、
歪むようならそのヘッドフォンの寿命か
上流機器を疑いましょう(;)マジで。