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バックロードホーンの問題点

皆様今日は。
先日は無事にオフ会に参加できました。
DDBH-B08-MLを元に勝手に下部ポート内部に音響トラップを作成し、
バックロードバスレフのような感じにして視聴&測定してもらいました。
1図:これが私の試作DDBB
6d03b18b.png
(黒線:ユニット軸上30cm、青線:ユニット近接、赤線:ダクト開口部)@オフ会HPより転載。200hz位の大きな谷はこのユニットと箱との何かと思われます。
乱暴に2way的な見方をすると、青線が中高音含むフルレンジ音、
赤線が低音、黒線がトータルでの特性と捉えて下さい。

ユニットは8cm。f0が110Hz、86db。Q0も高い物。
 
2図:同じユニットで別な方のトリプルバスレフ

(私のよりも小さい容積で↑)

さて、色々本質的な問題点が出て、たまたまその後の講義が
ホーンスピーカーについてだった為、良い教材となった模様です。
今回、以下の説を確かめる為に「あえてコーン質量が重めだが磁力は強力なユニット」を使用しました。 視聴音楽の最大dbは72db程度です。
バックロードホーンの問題点としては、
やはりホーン臭(土管音)というものがあげられます。
ダンプしバスレフ化することで、ある程度抑える事が可能ですが、
通常のバスレフ位までにはダンプしません。(それぐらいまで
できますが、そうするとバックロードが完全にバスレフ化してしまう)
この低域のホーン音は、嫌いな人は本当にダメな感じです。
後は低音域の群遅延の問題があります。
これは構造上改善は不可能と考えています。
特に可聴帯域でも人が敏感なところに現れがちです。
ダブルバスレフ等では構造やチューニングで
低音域にシフトさせたりして目立たないようにしている例があります。
僕自身がかつて作ったものも同様の対策をしていました。
バックロードの開口部はユニットの振動部面積と同じ程度、
ホーン長は2メートル位が理想と考えています。
しかしながら市販品含めそうでないものが多々あり、
おそらく開口部からの中音域漏れが相当あると思われます。
よって、作ってみたけど思ったほど低音出ないとか、
スカスカな感じとかになりがちで、
対策としての吸音材入れや下部に石をひいて重心を重くする事
などが考えられるのですが、
吸音材により熱に変換され、dbが減ると思います。

よってバックロードで使うユニットには
振動板が相当軽く(硬く)大型で高効率の物が必要と考えます。

(つまりユニットをかなり選ぶ)

また、ボックスもユニットも大きくならざるを得ません。小型バックロードを作れなくもありませんが、音がかなり微妙になります。振動版面積を考えるとユニットは最低でも10cm以上もっと言えば10inch、12inch、15inchといった巨大なものになると思います。

実際何台か作ってみましたが、それを裏付けるような結果でした。
(※昔ベークライトを使用したものがあったとのこと)
ホーンスピーカーはコンプレッションドライバーという
特殊ユニットを使い、ホーン部を作成するのが本来の用法ではないかと思われます。
通常のユニットでは構造上箱もかなり大きくなりがちですし、
原理のみで考えると???な感じとなりそうで、バックロード方式は
それの後ろ側を低域として音道で取り出すということなのですが….

今回のオフ会でも同じユニットを使ったトリプルバスレフに対して、サイズ感諸々で劣ると感じました。データ上もそうなっています。(ちなみにトリプルバスレフのまともな?計算は難しいです)

しかしダンプしたバックロードホーンの良いところは、
ポート(開口部)からの中音漏れを構造上のローパスフィルタ効果である程度抑え込める事で実際の測定結果にもそれが出ています。
よって従来型バックロードホーンで失敗している方が再度チャレンジするなら
やはりDDBH(ダンプダクトバックロードホーン)が良いと思います。

そんな会で、大変有意義でした。

■ホーンスピーカーについては講義をしていただいた、
HORI様の資料をご覧ください。