みなさん、こんばんは。
連休って何?というお仕事状況なのですが、本日は休み。
雨の中今から買い出しに;)
今日は表題の通り、古い機器のリペア(動くように)のお話し。
ジャンク品だったり、古い年数のものは、間違いなく修理が必要です。
勿論、そのまま動くものも多々ありますが、ある日突然死します。
安さにつられて、買って、動いた~ラッキーと思っていたら、
1年後に廃棄処分で数千円位掛かるというオチだったりします;)
そういうリスクを背負ったものです。
すごく複雑な電子機器だと特に、まともに動くまで相当時間と手間が掛かります。
(だから僕はメーターが付いたり、補正回路があったり、パーツ点数が多い
機器を意図的に避けています。音的にもシンプルな方がいいときが。
また最近のものは表面実装なので、ルーペでちまちまとかやってられず、
壊れたら廃棄;)
リペアにもいろんな程度の作業があり、ひどい業者(リサイクル屋)だと
水荒い(マジ!)したり、使っちゃダメなクリーニング液とかで、
内部に追い打ちを掛ける状態になっています。
外装は時間があれば(=僕はご存知のように子育てなどで無いのです;)、
ピカールやプラスチックコンパウンド、サンダー、
ラッカ―スプレーなどで整えることができます。
よって、リサイク屋のとても外見が綺麗な品の中身が、
とんでもないことになっているのは良くあることです。
接点についても、復活剤を隙間からという手抜きという事もあります。
(僕は不調のものは分解して、模型用の導電グリスなどを使っています)
出品しているものでメンテ品動作品は、あくまで「素人」レベルで、
完全な保証はできませんが(古いものなので)、
できるだけ日常で使っていただけるように、
最低限のこと(と自分が思っているリペア)は施しています。
ジャンクはかならず中身を点検するのが基本です。
間違っても即、電源を入れたりしないように!
不調箇所がさらに悪化、場合によっては焦げ臭いにおいで終了のお知らせです。
なぜこんな日記かというと”ただの宣伝”なんですが;
出品している外装がうーん;な僕のお気に入りの某アンプが、
値段「高!」と思う方も多いと思いますが、
同じ値段で、中国D級アンプやDACを買うならこっちでしょ。という事で。
↓に「桐」スピーカーをこの出品中のもので鳴らしたものがあります。
https://bokuthedog2.seesaa.net/article/a69709550.html
定期的に手入れしていけば、アナログ機器はまだ数十年は持ちます。
逆にデジタル機器はスペックなどが陳腐化していきます。
初期の10万位してたDACが今では1万~2万円位のものとスペック的に
同等になっていたり、消費電力やSNが良くなっていたり、
時代の進化をもろに受けます>デジタル機器。
アナログ機器はスペックは悪いかもしれませんが、
それでしか出ない音があって、
ディスクリートのものはパーツさえ合うものがあればリペアできます。
(非常に特殊な部品を使っているものは苦労しますが、、、)
しかも古いもの程、直しやすく作られています
(メンテナンス性や手はんだなどの為)。
当時は使い捨て文化では無かったので、修理できることが前提で設計されています。
手間さえかけて、大切に扱えば一生ものです。
さて、出品中の Technics SU-2300(実働品)の話をしましょう!
元スペックのお話しから。
「オーディオの足跡」様のデータによると、不思議な事に気が付きます。
この一番安っぽいモデルがメータ付きの兄?SU-2400より、出力帯域幅、
周波数特性が広い。歪率やphono端子のSN比に目をつぶれば、
現在の「ハイレゾ相当」を満たした出力ができる?という感じです。
20~20khzではなく、5Hz~40kHz -3dB(8Ω)。
周波数特性は15Hz~100kHz +0 -3dB。とMAX28Wしか食べない
熱くならないアンプとして、僕はとても好きになりました。
さらに以下のようなメンテを施すと、恐らく幾何かスペックが現代のパーツで
改善上書きされる可能性を秘めている隠れ名機だと思っています。
Phono端子は正直期待できないクオリティです。
(※決して聞けないという事ではありません。相応の音という感じ)
でもなぜかヘッドフォン端子の
音にアナログ独特の腰があって、これがまた良いのです。
つまり、TAPE/AUXかTUNERかの外部入力端子を使って、
現代のDACから音を入れてあげると、「え!?」という音が出ます。
(ただしちゃんとメンテしないとそういう音になりませんよ)
僕のいつものパターン;で外見にこだわってないけど、
中身には手を入れている状態です(ある程度安心して使う為に)。
まず ※天板は無い方が音がいいです。試しに外してみてください。
ぼろ天板も非金属にしてやりたい位(電動サンダー等ならあっという間に
綺麗にして、再塗装できると思いますが、僕にはスキルと時間がありません)。
シャーシアースになっているので諸悪の原因の一つに。
幸いアース端子があるので、そちらに集約して
1点アースに簡単改造しました.
これでシャーシに触れてもハム音が出ない。
※何でも1点アースがいい訳ではないようで、GNDループに陥らないように
されているものもあるようです。もしかしたらそうかもしれません。
でもやっぱり元状態だとハムが出る(ノイズを拾っているのは手かざし実験;で
感じたので、あえて1点にしてみたところ改善した状態です。
RCA端子から入れていますが、ハムもなくなりすっきりしています。
GND処理って難しいんですね。。。。僕にはまだまだ。。。)
あとACのDC成分をある程度抑える簡単回路を入れておきました。
トランスに少々唸りを感じましたので、結構抑えています。
安全性に配慮して耐圧400V品かつ通信用の品を使っています。
抵抗器は使っていません。無くても効果があるのと、安全の為に。
この簡単回路を組み込んで自宅で24時間以上つけっぱなしなど、
動作異常が無いかを自宅環境下において確認しています。
「唸り」がどれくらいの音かは動画を作りましたので、
参考にされてください。周りの小さな時計の音などと聞き比べて
ご判断下さい。実際動画より音としては感じられますが、
マイクの集音には限界があります。マイクはかなり近くに置いています。
ところでこの動画で周囲の音やマイクの「スー」という音以外
聴こえていない方は視聴環境を変えたほうが良いと思います。
僕の環境ではトランス音がきちんと聴こえます。


↑ 一度、ラックに入れてしまうと上部、底面、背面は見えませんので、
神経質な方の精神衛生上もいいかと思います;) 僕は気になりません;




暖色ライトなので余計に酷くみえますね; ここまで錆錆してませんが、錆、剥げはあります。電動サンダーでつるっつるにしたくなりますが、あいにく時間と設備がありません;

AC DC抑制回路は、
最初作成したときに忠実にセメント抵抗を入れていたのですが、
よく考えたら両端100V掛かるんじゃない??
つまり500Wか倍ぐらいに耐えうる抵抗がいるのでは??
と思い、そんなものは無いので、安全の為に外しました。
でも回路は「無線と技術」に載ってたらしい位有名なものらしいのですが、
本当にそこセメントでいいの??という疑問で。
色々HPを調べたら同様にして5Wぐらいのセメントで
見事に焼いている方がおられましたので、
それは当然だな~と思っています;)
しかも”プロ”オーディオショップのHPでケーブルにこれを
抵抗付きで簡易入れした写真を見つけましたが、
まったくもって危ないものをプロが載せるとはどういうことなのか?
抵抗の意味は、突入電流用らしいのですが、無学な僕には理解が。。。
(因みにアキュフェーズのアンプには最初から入っているらしいですよ。
そういう書き込みを見かけました)
そこで、秋葉原の秋月さんと千石さんにTELしてみましたが、
やはりセメントどころかメタルクラッドでも無理っしょというお答え。
求めている抵抗値に耐えうる品は扱っていないそうで、
現在の電源回路事情はACからのスイッチング電源だったり、
レギュレーターだったり、IC化しているので、
そういうトランスと共に使うような部品は廃れてなくなっているそうです。
(もしかしたら一部の特殊なお店が扱っているかも??ということでした)
ノグチトランスとかアムトランスあたりですかね?
もしあったとしても、かなり高価で大きい部品だそうです。
ホーローとかガイシみたいなものかな?
そもそものトランス自体を変える手もありますが、
特殊な出力電圧で現行に無いんです。
カスタム品だからでしょう。
2こ1で移植が一番安上がりです。
もしくは自力でトランス止めて自作電源にてDC化するかですね~。
いずれにせよお金とちゃんとした知識がいるので止めています。
今は静かな部屋でケースに近づくと少し聞こえる位に。
オーディオラックに入れてしまえば音は聞こえません。
40年選手なので、さすがに状態劣化?ですが、これなら許容範囲かと。
念の為、しばし稼動させてトランス本体表面を触ってみましたが、
極端に熱くなったりしていませんでしたので、問題なさそうです。
(熱は勿論持ちます)

というもろもろの試行時間もお値段に含まれております。

内見で見つけたカーボン抵抗の劣化。 こんな状態でもきちんと抵抗値があった
のはさすが昔の日本製なのですが、危ないので金被に交換しています。
同じ1Wなのに、大きさがスケールダウンしているのに時代を感じます。

内見で見つけた、コンデンサの焦げ。これは危ない!
こんな状態でも「電源は入る」のが昔の機器ですが、
僕はONする前に必ず見ています。
これが「電源は入りました」という説明の現実の一つの例?です。
電源が入るのと、機器として安心して使えるのは話が別です;
中身がこんな状態でもヒューズで2重に保護してある設計の為に、
他にダメージが広がっていません。さすが70年代のものです。
しかしながら、上記症状を見るのはこれで3回目です。
大体どの機種も電源部のここがウィークポイントの模様。
別な個体でも、、、

見事に抵抗が割れてます。ここを変えておかないと後々不安ですね。
この個体はどうも1度メーカー修理を受けたのか、鬼門の電解に赤マークが
ついて交換されています。メーカーも認識してたんですね?

ニチコンのオーディオ用コンデンサMUSEに変えています。
耐圧も規定より高いもの。(1.5~2倍以上の)
元のトランスからのACVを測った処、使われている電解の耐圧より
1V程高い出力だったので、このように負荷が掛かり続けた結果、
焦げたり、抵抗が破壊していると思われます。
電源回路のコンデンサは、状態が良いもの以外は見て
ダメなものは交換しています。
茶色のは交換したもの。少しだけ容量を増量。
ここにオーディオ用を使わず、電源回路用のものをつかったのは適材適所だから。
なんでもかんでもオーディオ用に交換する方がいますが、むしろ電源用の方が
いい場合があります(低ESRや産業用の高信頼性のものなど)。
見かけが金色だからいいっていう訳ではありません;)

メインアンプ直下のタルコン、電解などは損傷が無い場合は、手を付けません。
(本来の音がかなり変わってしまう)

元々の音に近いものを各種から選択しています。最初が中々めんどくさい。
そして元の音を弄らないように、できるだけ必要最低限の交換にとどめています。
くどいようですが、すべてのコンデンサを一気に交換はやってはいけません。
オーディオ機器、電子楽器の場合、それで音が失われます。
順番に問題がある部分をテスターなどで調べながら、そこだけ交換が基本。
「コンデンサをすべて交換」の品はほぼかつての音でなくなっていると思います。
当時の設計者がコストと音で選定したパーツなので、逆に貴重です。
確かに電解など、容量抜け(経年変化)が生じている可能性大ですが、
それを理由にすべて変えてしまうと今出ているいい感じの音が失われる
可能性があるということです。まったく同じパーツのNOS品があれば!(ない)
それでは腰があるSU-2300のヘッドフォンアンプをどうぞ。
(※ 動画より実物は低音が太く出ています。@CD900ST)
1)これが現在出品中のもの アフター
2)これがオリジナルのもの ビフォア
まったくリぺアする前の状態。
歌の”さび”の部分、1メモリ分本体の
音量を上げてしまいました。こんなにdbが
上がる感じです。細かい調整ができないので、
後ほど出品物のように無段階化する予定。
(なんでステップボリュームにしたのかな~??)
無音時のヒスなどはどうしても残りますが、こんな感じで
音楽を聴いている間は音の厚みに埋もれて気になりません。

いかがでしたでしょうか? 低音にとても腰があって、いいですよね?
この動画の低音の感じ位が好みです。↑を聞いて、
「低音?そんなに感じない」という方はヘッドフォンかイヤフォンの
味付けで中高音にシフトしたものです。
(鮮やかさを強調すると、聞き手は一瞬インプレでいい音と誤認します)。
「低音がかなりブーミー(ふくらみ過ぎ)」という方は、
ヘッドフォンかイヤフォンが低音強調にシフトされたものです。